4. 遺産をどのように分けるのか? 相続割合について
「遺産をどう分けるか」も、ポイント2と同じく遺言書の内容が優先されます。また、遺言書に指定がないものについては、相続人による遺産分割協議を行いますが、まとまらない場合には、調停や審判により法定相続分に基づいて遺産分割方法が決定されます。

4-1. 遺言書による指定
遺言書に財産そのものあるいは相続分についての指定がある場合、その指定に従うことになります。ただし、先述のとおり、遺言書であっても遺留分を侵害することはできません。また遺言書の内容に不満がある場合、相続人全員の同意があるなどいくつかの条件を満たすことで遺産分割協議を行うこともできます。

4-2. 遺留分とは
被相続人の配偶者や子ども、両親など近しい関係にある法定相続人には民法が保証した最低限の分割割合が定められています。これを遺留分といいます。遺留分が認められる相続人は下記です。

配偶者
直系卑属(子ども、孫など)
直系尊属(両親、祖父母など)
兄弟姉妹に遺留分は認められていません。遺言などによって遺留分を侵害された場合は、遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)を行うことができます。詳しくは、下記の記事をご確認ください。

4-3. 法定相続分とは
法定相続分とは、民法に定められた各法定相続人の相続割合のことを言います。法定相続分は、相続順位ごとに、図のように定められています。

【配偶者と子が相続人の場合】
配偶者に2分の1、子に2分の1
【配偶者と父母(あるいは祖父母)が相続人の場合】
配偶者に3分の2、父母(あるいは祖父母)に3分の1
【配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合】
配偶者に4分の3、兄弟姉妹に4分の1
配偶者以外の相続人が複数いる場合には、その人数で相続分を分けることになります。

配偶者以外の相続人が複数いる場合には、その人数で相続分を分けることになります。また法定相続分はあくまで目安となります。遺産分割協議で、相続人全員の同意があればどのように分けても問題ありません。