土地は不動産会社を仲介せずに、個人間で売買することができます。大切な土地を手放すなら、親戚や友人に譲りたいという方も少なくないでしょう。しかし、その気軽さと引き換えにリスクも伴います。思わぬトラブルに発展して信頼関係にヒビが入る可能性もありますので、正しい知識を身に着けましょう。

個人間で土地売買をするメリット

個人間で土地売買をするメリットは大きく分けて3つあります。

  • 不動産会社に支払う仲介手数料がない
  • 自由に取引できる
  • 知人との売買ならスムーズに進む

まず、仲介業者を介さずに直接売買が行えるため、手数料や仲介手数料がかからないのは大きなメリットです。これにより、売り手はより高い価格で土地を売ることができ、買い手はより低い価格で土地を購入することができます。

また、売り手と買い手が直接交渉することができるため、条件や価格、引き渡しのスケジュールを柔軟に話し合うことができます。すでに関係性がある知人が相手であれば、交渉もスムーズに進みます。

個人間で土地売買をするデメリット

一方、専門家が間に入らない土地売買にはデメリットもあります。

  • 価格の設定が難しい
  • ローン審査が通りにくい
  • 土地が欲しい知人がいない場合は買い手を探すのが難しい

個人間での土地売買では適切な価格の設定が難しいので、売り手と買い手の妥協点を見つけるのに時間がかかる場合があります。

また、ローンを利用して土地を購入する際には売買契約書や重要事項証明書が必要です。これらを個人で作成することになるため、不備なく書類を用意するのは簡単ではありません。そのうえ、個人取引は不動産会社を仲介する取引と比べて信頼性に欠けるため、金融機関が融資に消極的になる可能性もあるでしょう。

もし知人で買い手が見つからなかった場合、自分で買い手を見つけなければなりません。主にインターネットを活用して売却活動をすることになると思いますが、売却できるまで半年以上の長期戦になる覚悟が必要です。

個人間の土地売買のトラブル例

よくあるトラブルとして以下のような事例が挙げられます。

  • 契約不適合責任に問われる
  • 贈与税の支払いが発生する

個人間の取引の場合、「言った」「言わない」という認識の違いで思うように取引が完了できないことがあります。書類においても詳細が省かれることによって、売却後に土壌汚染など買い主に不利益があることが発覚した場合、契約不適合責任を追及される可能性があるでしょう。

また、安すぎる価格で売却した場合は「みなし贈与」として贈与税の対象にされることもあります。

こうしたトラブルを回避するためにも、土地売買はなるべくプロの手を借りて取引をすることがおすすめです。