土地売却時に発生する所得税の仕組みと支払い期限
土地売却で土地購入時の金額よりも高く売却できた場合、その利益部分に所得税が課税されます。ここではその仕組みについて解説していきます。
土地売却時にかかる所得税
所得税がかかる売却益のことを譲渡所得といいます。そのため、譲渡所得を低くすれば自ずと所得税も安くなります。
所得税の仕組み
譲渡所得とは土地の売却額ではなく、売却額からその土地の購入と売却にかかった費用を差し引いた利益の部分のみを指します。
購入や売却にかかった費用というのは、土地の取得費だけでなく以下の諸経費も含まれます。もし相続した土地で取得費が分からない場合は、売却額の5%として計算します。
これらを正しく計上することで、譲渡所得を低く抑えることができるでしょう。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 登記費用
- 測量費用
- 解体費用
- 売却するための修繕費用
所得税の計算方法
以上で算出した譲渡所得に税率をかけることで、所得税は計算できます。税率は土地の保有期間によって以下のように異なります。
土地の所有期間 | 税率 |
5年以下 | 39.63% |
5年超 | 20.315% |
この所有期間は、売却した年の1月1日時点で判断します。
例えば、2018年7月に所有して2023年の12月に売却した場合で考えてみると、所有期間は2023年の1月1日時点での4年と見なされるため、5年以下の税率が適用されてしまうのです。
所有期間は5年を超えるかどうかで大きく税率が変わりますので、売却を検討するタイミングとして考慮しておきましょう。
また、特別控除の特例が適用される場合は、一部または全ての売却益が非課税となる場合もあります。
土地を売却する際には、この所得税の仕組みを理解し、適切に計画を立てることが重要です。特例について事前に税理士に相談することで、税金を節約することができるかもしれません。
土地売却で発生した所得税の支払い期限
譲渡所得にかかる所得税は、売却した翌年の確定申告期間中に納税しなくてはなりません。確定申告の期間は2月16日〜15日までです。
※開始日・終了日が土日祝日の場合はそれぞれ翌平日にずれます。
振替納税をする場合は、4月頃に銀行口座から自動で引き落とすことも可能です。
この支払い期限を過ぎると遅延金や罰金が課せられたり、特例を適用できなくなったりする可能性がありますので、期限を過ぎないようにしっかりと管理しておくことが大切です。
特に、土地の売却益が大きい場合や、複数の土地を売却する場合は、事前にしっかりと計画を立てておくことが重要です。また、所得税の支払いについては、税務署や税理士など専門家に相談することで、適切な対応ができるでしょう。