土地の共有名義は、家族や親戚間での土地相続や購入時によく見られる形態です。こうした土地を売却する際には共有者全員の同意が必要になります。それゆえに売却までに時間がかかることも珍しくありません。
この記事では共有名義の土地売却の流れと、トラブル対策について解説していきます。

共有名義の土地を売却する方法

導入で触れたとおり、共有名義の土地を売るためには全ての共有者の同意が必要です。
一部の共有者が売却に反対したり、了承が得られなかったりすると、売却が難航する可能性があります。
そのため、共有者間でのコミュニケーションを大切にし、売却の意向や条件を話し合うことが重要です。

また、共有名義の土地には、他の所有者が持つ権利や負担が存在する場合があります。
例えば、共有名義の土地には抵当権や借地権が設定されている場合があり、これらの権利や負担が売却に影響を及ぼす可能性があります。売却前に土地の権利や負担を確認し、売却時にはこれらを解消する必要があります。

さらに、共有名義の土地の所有者間での財産の分配や売却価格の分配に関する意見の相違が起こることもあります。売却価格の決定や分配方法の合意が得られない場合、トラブルが生じる可能性があるため注意しましょう。

共有名義の土地売却でよくあるトラブル

共有名義の土地を売る際には話し合いが必要不可欠です。
売却できるかどうかだけでなく、後々の人間関係に大きく影響しますので、紹介する例を参考に、慎重に進めていきましょう。

共有者が売却に反対している/単独名義にする際の買取額に納得しない

共有名義の売却や共有名義の解消には、共有者全員の合意が必要となります。
また、単独名義にするため他の共有者の持ち分を買い取る際も、共有者が満足する金額で合意しなくてはなりません。そのためにも理由や買取額について十分な説明や根拠を示すことが必要です。
冷静に話し合えないという場合は、第三者を仲介役として立てることも考えてみると良いでしょう。専門家や弁護士などが間に入ることで、公平な買取額が提示される可能性が高まります。

相続した土地を売却したいが正しい共有者が分からない

先祖代々から相続してきた土地で相続登記をしていない場合、正しい共有者が誰なのかが分からなくなっているという状況は珍しくありません。これは、土地や建物に関する権利関係や所有権が曖昧になるだけでなく、相続税や賃貸契約などの取引にも支障をきたす可能性があります。
相続登記は、地方裁判所や司法書士などの専門家に依頼して適切に進めておきましょう。