美容師さん目線で考える:美容室の内装設計で差別化を図る方法

美容室の魅力は技術やサービスだけではありません。お客様が最初に感じる印象や、スタッフが快適に働ける環境も、繁盛店をつくる重要な要素です。
特に昨今は内装にこだわった“体験型サロン”が増加し、インテリアで差別化を図る動きが活発になっています。
ここでは、美容師としての現場感覚を活かしながら、内装設計で他店と差をつけるポイントを詳しく解説します。
1. 最新トレンドを取り入れた空間演出
【1-1. SNS映えするデザイン】
インスタやTikTokを意識した「写真を撮りたくなる内装」は、自然と集客にもつながります。
- フォトスポットになる壁紙やアート
- 間接照明やネオンサインの活用
- ナチュラル×無機質のバランスが人気(木材+モルタル調など)
【1-2. ラグジュアリー感より“心地よさ”】
2024年のトレンドは、“高級感”よりも“温かさ”や“居心地”。
- 光とグリーンを取り入れた癒しの空間
- 香りや音楽など五感に配慮した設計
- 一人ひとりが安心して過ごせる半個室や可動パーテーション
2. 美容師さんが働きやすい「動線」と「収納」設計
【2-1. 効率的な作業動線】
- セット面からシャンプー台、カラー・パーマスペースへの距離は最小限に
- 通路幅は“お客様とすれ違っても気を遣わない”90〜100cmを確保
- カラー塗布やブロー中のサポートも流れるように行える配置が理想
【2-2. 細やかな収納の工夫】
- スタイリスト1人分のワゴン収納+バックヤードに分けた二層構造が理想
- タオルや薬剤類のストック棚は“見せない収納”を意識
- レジまわりも電子機器や配線を隠せるように設計
【2-3. 作業ゾーンの温熱環境にも配慮】
- シャンプー台は床暖房やスポット暖房でお客様・スタッフ両方の快適さを確保
- 吹き抜けや高天井ではエアコンの位置と風向きを工夫
3. お客様に安心感を与えるディテール設計
【3-1. 衛生面の見える化】
- 器具の消毒ステーションをインテリアになじむように配置
- 自然素材や抗菌素材(無垢材+セラミックコーティング)を組み合わせる
【3-2. プライベート感のあるセット面】
- ミラーの間隔を空けたり、パーテーションでさりげなく仕切る
- 子ども連れや年配のお客様向けに“半個室+広めの椅子スペース”を設置
【3-3. ユニバーサルデザインへの配慮】
- バリアフリー化や、静かな配慮のある待合スペースの設計
- 明るさや色使いで視認性にも優しく
4. ブランド価値を高める“内装のストーリー性”
成功している美容室は、内装にも「ブランドの世界観」を込めています。
- 「自然派オーガニック」を打ち出すなら木材・植物・土壁調素材
- 「都会的モード」なら黒・グレー・メタル素材を主軸に
- 「癒しと美容の融合」ならサウンドシステムやアロマの演出も重要
美容室の内装設計は、単なる「おしゃれ」にとどまらず、スタッフの働きやすさ・お客様の居心地・ブランディングをすべて内包する“経営戦略の一部”です。現場を知る美容師だからこそ感じる細やかな視点を取り入れることで、差別化された強い空間づくりが可能になります。
株式会社ウインクスでは、美容室の設計・施工に豊富な実績を持つ一級建築士が在籍。
美容師さんの声に耳を傾け、動線や収納計画、照明や音響まで、トータルでご提案します。独自の世界観を持ったサロンを実現したい方は、ぜひウインクスにご相談ください。